大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和30(オ)243 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士森井孫市の上告理由第一点について。

所論の点に関する原判示は必ずしも明瞭ではないが、これを熟読検討すれば次の

如き趣旨を判示しているものと解するを相当とする。すなわち、原判決は被上告人

外三名は上告人Aから本件倉庫を賃借していたが、判示の頃上告人Aから被上告人

外三名に対し右賃貸借を合意解約したき旨の申入あり、被上告人を除く外三名はこ

れを承引したが、被上告人のみは右申入れに応じなかつたものであるとの事実を確

定の上、従つて右賃貸借契約は右三名に対しては合意によつて解約せられ、三名は

右賃貸借関係から脱退したが被上告人に関しては右関係がなお持続しているものと

判断しているのである。そして、右のような判断は所論被上告人の従来の主張の範

囲を逸脱しているものとは認められないから所論その一の主張は採用できない。そ

して前示認定は、その認定に供せられた原判決挙示の証拠に鑑み首肯できないもの

ではないから所論その二はひつきょう原審の専権に属する証拠の取捨選択、並びに

これに基づく事実認定を非難するものでしかなく上告適法の理由となすを得ない。

また、所論その三は原判示に副わない所論独自の想定に基づく主張であるから採用

に由がない。所論引用の判例は本件に適切ではない。

第二点について。

しかし、前示のように数人の賃借人の中一部のもののみが賃貸人と合意の上賃貸

借契約を解約して、その賃貸借関係から脱退することは毫も民法五四四条一項の規

定に抵触するものとは解し難いからこれに反する見解を前提とする所論も採用の限

りではない。

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第三点について。

所論の点に関する原判示は所論主張の如きものではなく、上告人組合は上告人A

から本件倉庫を賃借したが、その引渡を受けなかつたもので、ただ被上告人からそ

の賃借権に基いてこれが使用を許されていたに過ぎないものであると判示している

ことは、原判文上明らかであるから原判決には所論の違法ありというを得ない。所

論も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条一項本文に従い、裁判官全員の

一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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